DynamoDB料金の値下げ、半額になったオンデマンド料金を試算してみた (2024年11月)
2024年11月14日、Amazon DynamoDB の料金改定のアナウンスがありました。
- オンデマンドスループット料金が50%値下げ
- グローバルテーブルの料金が最大67%値下げ
今回、東京リージョンにおける新旧料金の比較と、オンデマンドモードとプロビジョンモードの損益分岐点について検証した内容を紹介させていただきます。
請求速報
AWS請求速報の明細より、DynamoDBの単価確認を行いました。
2024年10月まで
$1.4269 per million write request units (Asia Pacific (Tokyo))
$0.2854 per million read request units (Asia Pacific (Tokyo))
2024年11月以降
$0.715 per million write request units (Asia Pacific (Tokyo))
$0.1425 per million read request units (Asia Pacific (Tokyo))
DynamoDBの オンデマンドリクエスト課金、11/1に遡って値下げ後の単価で計算されている事が確認できました。
- 書き込みリクエスト ($1.4269 → $0.715)
- 読み込みリクエスト ($0.2854 → $0.1425)
損益分岐点の試算
100WCU、100RCU設定のプロビジョニング済みキャパシティーの利用費と、
オンデマンドキャパシティーモードの毎秒リクエストを1〜100の間、24時間、30日間連続して発生する状態で利用した場合の月額費用の比較を試みました。
※レコードサイズは1KB以下、強い結果整合性の指定は利用しない想定です。
書き込み
100WRCの30日間のプロビジョン料金は$53.4。
オンデマンド料金がプロビジョン料金を上回るタイミングは以下の通りでした。
- 旧単価($1.4269): 毎秒15リクエスト: $55.48
- 新単価($0.715) : 毎秒29リクエスト: $53.75
読み込み
100WRCの30日間のプロビジョン料金は $10.7。
オンデマンド料金がプロビジョン料金を上回るタイミングは以下の通りでした。
- 旧単価($0.2854): 毎秒15リクエスト: $11.10
- 新単価($0.1425) : 毎秒29リクエスト: $10.71
まとめ
オンデマンドモードのDynamoDB利用費が半額になったことで、リクエスト数が多い高負荷なワークロードでも、オンデマンドモードは費用対効果の高い選択肢となりました
また、リリース直後などに高性能を必要とする場合、オンデマンドモードの初期性能が不足する可能性に備え、高いWCU、RCU設定としたプロビジョン設定の利用が望ましいケースもありましたが、こちらも2024年11月にリリースされた新機能のウォームアップキャパシティを採用する事で、オンデマンドモードを高い初期性能で利用する事も可能になりました。
DynamoDBを導入する場合は、まずオンデマンドモードで運用を開始して、実際のアクセス状況をモニタリングする事をお勧めします。
一定以上のオンデマンド料金が発生した場合、利用量の多いテーブルを対象にキャパシティの消費実績を確認。
プロビジョンモードのDynamoDBテーブルを オートスケールや、バースト性能で、必要な性能を確保出来る場合、プロビジョンモードへの変更をお試し下さい。
プロビジョンモードで維持できる目処が付いた場合、1年、3年の利用コミットにより大幅な値引きが期待できる、リザーブドキャパシティによるコスト最適化を検討頂ければと思います。